2017年6月7日水曜日

業平忌

 在原業平という平安時代の歌人が居りました。平城天皇の皇子である阿保親王の皇子として生まれ、在原姓を賜わりました。在五中将と称され、六歌仙の1人とされています。「伊勢物語」の主人公のモデルに擬せられ、美男の代表格とされています。
 光源氏のモデルとされる兄の行平も在原姓を賜わり、正三位中納言まで昇りましたが、とある事件に連座して暫く須磨に身を退きました。その際に身の周りの世話をした「松風」・「村雨」姉妹の悲劇は有名で、今も残る「松風村雨堂」は姉妹が結んだ庵の跡だといわれています。また多井畑には二人の墓があります。
 父君の阿保親王は芦屋に住まわれ、阿保親王塚と称する墳墓が芦屋市内に残っています。芦屋市内にはこの他、業平の屋敷跡とされる場所や、業平町、業平橋、業平公園等、業平の名を付けた町や施設があります。中でも、国道2号線が芦屋川を越える業平橋は、レトロなデザインで有名です。
 先日の汀子先生宅の下萌句会は、母の見舞いで欠席しましたが、その欠席投句の結果が帰って来ました。5句投句で4句入選でした。業平忌という題が出ていたのですが、その題では次の句が汀子先生の選に入りました。

     特選    橋の名に公園の名に業平忌      伸一路
     入選    気に入りしジャケット試着業平忌   同

特選の句は、上記の説明でお分かりになると思います。業平忌の季題で詠んだ句としては珍しいと評価されたのでしょう。入選の句は、ダンデイーだったであろう業平のイメージを拡げて詠んだものです。難しい季題ですが、イメージを膨らませて詠む事が大切です。詠めないと嘆くのは、詠む気が無いだけのことです。
     

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