2017年11月28日火曜日

大根焚と言う季題

 九年母賞の最終選考や1月号の雑詠選、新春団欒の選も終わりました。野鳥の歳時記等の文書の作成も順調です。忙しいかった11月も、間もなく終わります。明日は午前中に12月号を発送し、午後から1月号の編集が始まります。1月号は盛り沢山。楽しみにお待ちください。編集の様子を見学にお出でになりませんか。漢字の読み方や言葉の使い方、文語文法等、勉強になりますよ。

 さて、次の句が、ある句会に出されました。
      大根焚旗立ち里の活気かな
11月の吟行の句ですが、大根焚と言う季題が使われています。歳時記をご覧になれば分かるのですがこの季題は、12月9.10日の両日に、京都・鳴滝の了徳寺で行われる伝統の行事であり、大根を煮て開山の親鸞上人に供え、参詣者も共に食するものです。俗に「鳴滝の大根焚」と呼ばれてます。
 上記の句からは、11月に吟行した村里の飯屋に大根焚の幟が上がって、客を待っているような景色が見えます。鳴滝の事でしょうか。寺の活気なら鳴滝の事かと思いますが、時期も違います。歳時記の説明には鳴滝のことしか書いてありません。つまり大根焚という季題は鳴滝の行事限定なのです。
 ではどうすれば大根を焚いている景色が詠めるでしょう。大根焚く、と詠めばよいのです。大根煮る、でも良いのです。こうすれば大根と言う季題が使えます。上記の句は
      大根焚く旗立ち里の活気かな
これで、大根と言う季題が生き生きと働いてくれます。思い込みで季題を使わず、先ず歳時記で確認しましょう。

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