2018年1月15日月曜日

粥占神事

 今日は朝から九年母会の本部の方お二人と、淡路島の石材店を訪ねました。用談終了後、地元の方に勧められて伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)で本日行われた御粥占祭(おかいうらまつり)にお参りして来ました。
 神職が小さな竹筒三本を沈めて御粥を焚き上げます。その竹筒を神前にお供えしますが、その時に竹筒から流れ出す御粥の形で、今年の稲の作付けを早稲(わせ)・中稲(なかて)・晩稲(おくて)の何れにするかを占う神事です。流れ出た御粥の形状で判断するのは、神職ではなく農家が各自で決めるとか。経験豊かな古老達が集まって相談し、自分たちの責任で神慮を探るのでしょう。
 古代の日本では、亀の甲羅に火を当てて、甲羅に生ずるひび割れで占いをしました。鹿の肩甲骨を使った太占(ふとまに)という占いもありました。亀や鹿を使った占いには、狩猟採集が生活の中心だった縄文時代の匂いがしますが、今日拝見した占いには、弥生時代の香りがしました。そして、縄文文化の息吹を色濃く残す日本古来の神の道に、新文明として大陸から伝わった稲作による弥生文化が融合して行く過程を見る思いがしました。
 それにしても大変な人出でした。淡路島中から農家が参拝されるとか。それも、高齢の方が軽自動車に乗って来ておられるのが目に付きました。高齢化の進行と少子化と過疎化。文化を守っていく事の難しさを感じつつ、帰路に就きました。
       境内の空幾度も春の鷹   伸一路

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